この記事でわかること
  • 就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく障がい福祉サービスのひとつ
  • 雇用契約を結ばず、自分のペースで生産活動に参加できる「福祉型」の就労支援
  • 支援員(職員)の仕事は作業指導・個別支援計画の実行・日常生活の支援など多岐にわたる
  • A型との大きな違いは雇用契約の有無。B型は工賃、A型は給与が支払われる
  • 利用者の平均工賃は月額1.7万円前後。事業所の工夫で高工賃を実現しているケースもある

就労継続支援B型とはどんなサービスか

就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく障がい福祉サービスのひとつです。一般企業での就労が難しい方に対して、雇用契約を結ばずに生産活動や社会参加の機会を提供します。

「B型」の名称は、同じ就労系サービスの中で雇用契約を結ぶ「A型」と区別するために使われています。B型は雇用契約がないため最低賃金の適用がなく、作業に対しては「工賃」が支払われます。利用者が自分のペースで通える柔軟さが特徴です。

全国に約1万4,000か所以上のB型事業所があり(厚生労働省調べ)、障がい福祉サービスの中で最も事業所数が多い類型です。利用者数は約28万人前後で、障がいのある方の「日中活動の場」として広く利用されています。

1.4万所
全国のB型
事業所数の目安
28万人
B型サービスの
利用者数の目安
1.7万円
月額の平均工賃
の目安

利用者の特徴と対象者

就労継続支援B型の利用対象者は、「就労経験があるが年齢や体力面で一般企業への雇用が困難な方」「就労移行支援を利用したが雇用に結びつかなかった方」「50歳に達している方」などです。ただし実際には、各市区町村の判断によって18歳以上の幅広い方が利用しています。

利用者の障がいの種別は多様で、知的障がい・精神障がい・身体障がい・発達障がい・難病の方まで包括的に受け入れる事業所が多くあります。利用期間に上限はなく、ご本人の意向と状態に応じて長期間利用することも可能です。

事業所で行われる主な活動

活動内容具体例
軽作業封入作業・部品組立・清掃作業・シール貼り・箱折り
食品加工パン・菓子の製造、弁当の調理・盛り付け
農作業野菜の栽培・収穫・出荷準備
手工芸アクセサリー製作・縫製・木工
PC作業データ入力・名刺作成・Webサイト更新

B型事業所の職員の仕事内容

B型事業所で働く職員は「生活支援員」「職業指導員」「サービス管理責任者(サビ管)」の3つの職種に大きく分かれます。直接支援を担う生活支援員・職業指導員が現場のメインスタッフです。

生活支援員の仕事

利用者の日常生活全般の支援を担います。通所時の健康確認、昼食の支援、コミュニケーション支援、相談対応、送迎など、生活面でのサポートが中心です。利用者の体調変化への気づきや、安心して通える環境づくりが求められます。

職業指導員の仕事

作業活動の指導・工程管理を担います。利用者の能力や体調に合わせて作業内容を調整し、作業手順の説明やサポートを行います。受注先との納期調整や品質管理も重要な業務です。

サービス管理責任者(サビ管)の仕事

個別支援計画の作成・進捗管理・アセスメントを統括する役割です。支援会議の開催、モニタリング、関係機関との連携調整、職員への助言・指導も行います。B型事業所には1名以上のサビ管の配置が義務付けられています。

A型・就労移行支援との違い

就労系の障がい福祉サービスには、B型のほかにA型と就労移行支援があります。それぞれの違いを以下にまとめます。

項目 就労継続支援B型 就労継続支援A型 就労移行支援
雇用契約 なし あり なし
報酬 工賃(月1〜3万円の目安) 給与(最低賃金以上) 原則なし
利用期間 上限なし 上限なし 原則2年
目的 生産活動・社会参加の場づくり 雇用関係のもとでの就労機会 一般企業への就労準備
利用者像 一般就労が現時点で困難な方 雇用契約で働ける方 一般就労を目指す方

工賃の実態と改善の動き

就労継続支援B型の月額平均工賃は、令和4年度で約1万7,000円前後(厚生労働省調べ)です。工賃は事業所ごとの取り組みや受注状況によって大きく差があり、月額3万円を超える高工賃の事業所もあります。

国は「工賃向上計画」を推進しており、自治体ごとに工賃目標を設定して事業所を支援する仕組みがあります。近年はeコマースを活用した自主製品の販売や、農福連携による高付加価値な作業の確保など、工賃向上に向けた新しい取り組みも増えています。

B型事業所で働く人に向いている特性

向いている人の特徴
  • 利用者との関わりの中で「小さな変化」に気づける観察力がある
  • 一人ひとりのペースを尊重し、じっくり待つことが苦にならない
  • 作業の工程を分解して、わかりやすく伝える工夫ができる
  • 福祉の枠にとどまらず、ビジネス視点(受注・品質・納期)にも関心がある
  • チームで連携し、情報共有を丁寧に行える
ミスマッチになりやすい傾向
  • 「成果を出す」ことが仕事のすべてだと考える方には物足りなさを感じる場面がある
  • 利用者の状態変化が大きい日があるため、予定通りに進まないことに強いストレスを感じる方
  • 1対1の関係性構築よりも、多人数を効率的に動かす仕事を好む方

就労継続支援B型に関するよくある質問

B型事業所で働くのに資格は必要ですか?
生活支援員・職業指導員として働く場合、法的な資格要件はありません。無資格・未経験でも採用している事業所は多くあります。ただし、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士などの資格を持っていると、専門的な支援ができるため採用で有利に働きます。サビ管は所定の実務経験と研修修了が必要です。
B型事業所の職員の給与はどのくらいですか?
生活支援員・職業指導員の給与は、月収18〜25万円前後が目安です(経験・資格・地域により変動)。サビ管は月収25〜32万円前後の目安です。障がい福祉分野でも処遇改善加算が適用されるため、年々改善傾向にあります。
B型事業所はどうやって収益を得ていますか?
主な収入源は自立支援給付費(国・自治体からの報酬)です。利用者1人あたりの日額単価が設定されており、利用日数に応じて報酬が支払われます。加えて、生産活動による売上や受託収入も事業所の財源になります。