この記事でわかること
  • 介護福祉士は介護分野で唯一の国家資格。身体介護の専門職として高い信頼を持つ
  • 主な仕事は身体介護・生活援助・チームリーダーとしての現場マネジメント
  • 資格取得ルートは「実務経験ルート」「養成校ルート」「福祉系高校ルート」の3つ
  • 特養・老健・訪問介護・デイサービスなど幅広い職場で活躍できる
  • 給与の目安は月収24〜30万円前後。処遇改善加算で年々上昇傾向

介護福祉士とはどんな資格か

介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく国家資格です。介護職の中で唯一の国家資格であり、身体介護・生活援助を中心とした介護の専門家として位置づけられています。

無資格・未経験でも介護の仕事自体は始められますが、介護福祉士を取得することで「専門的な知識と技術を備えた介護職」として信頼が得られます。施設内でのリーダー職への登用や、給与面での手当加算にもつながるため、介護職としてキャリアを積むうえで欠かせない資格です。

登録者数は全国で約190万人前後(厚生労働省調べ)と、介護の現場を支える最大規模の専門職集団です。

190万人
介護福祉士
登録者数の目安
約70%
国家試験の
合格率の目安
3
実務経験ルート
の最低年数

介護福祉士の具体的な仕事内容と1日の流れ

介護福祉士の仕事は、利用者の心身の状態に合わせた日常生活の支援が中心です。施設の種類によって業務内容は異なりますが、主に以下のような仕事を担います。

身体介護

食事介助・入浴介助・排泄介助・移乗介助・体位変換など、利用者の身体に直接触れて行う介護です。介護福祉士は身体介護の専門職として、安全かつ尊厳を守ったケア技術が求められます。

生活援助

掃除・洗濯・調理・買い物代行など、利用者の日常生活を支える間接的な支援です。訪問介護の場合、生活援助は利用者の自立支援につながる重要な業務です。

チームマネジメント

介護福祉士は、無資格スタッフや新人職員への指導・OJTを担うことが多く、現場のリーダー的な役割を期待されます。介護記録の作成・申し送り・カンファレンスへの参加も含まれます。

施設介護(日勤)の1日の流れ

時間業務内容
8:30出勤・申し送り・バイタル確認
9:30入浴介助
11:30昼食準備・食事介助・口腔ケア
13:00休憩
14:00レクリエーション・個別ケア
15:30おやつ・水分補給・排泄介助
16:30記録作成・申し送り
17:30退勤

介護福祉士資格取得の3つのルート

介護福祉士の資格を取得するには、大きく3つのルートがあります。最も多いのは働きながら取得できる「実務経験ルート」です。

A

実務経験ルート(最も多い)

介護施設で3年以上(540日以上)の実務経験を積み、介護福祉士実務者研修(450時間)を修了したうえで国家試験を受験します。働きながら取得できるため、社会人からの転職者に最も選ばれているルートです。

B

養成校ルート

厚生労働大臣が指定する養成施設(2年制の専門学校・短大など)を卒業し、国家試験を受験します。卒業と同時に受験資格が得られますが、学費と通学期間が必要です。

C

福祉系高校ルート

福祉科のある高等学校で所定のカリキュラムを履修し、卒業後に国家試験を受験します。高校在学中から介護の専門教育を受けるルートです。

介護福祉士が活躍できる職場の種類

介護福祉士は、介護保険サービスを提供するほぼすべての施設・事業所で活躍できます。主な勤務先は以下の通りです。

施設種別特徴働き方の傾向
特別養護老人ホーム(特養)要介護3以上の方が入居。24時間体制夜勤あり。チームでの介護
介護老人保健施設(老健)在宅復帰を目指すリハビリ中心医療職との連携が多い
訪問介護事業所利用者の自宅を訪問しケアを実施1対1の個別ケアが中心
デイサービス日帰り通所。入浴・レク・食事日勤のみ。レク企画力が活きる
グループホーム認知症の方の少人数共同生活家庭的な雰囲気。自立支援重視

介護福祉士の給与・年収の実態

介護福祉士の給与は、無資格の介護職と比べて月額2〜4万円程度高い傾向があります。厚生労働省の調査をもとにした目安は以下の通りです。

条件月収の目安年収の目安
介護福祉士(経験3年)24〜27万円前後300〜340万円前後
介護福祉士(経験10年)27〜32万円前後340〜400万円前後
リーダー職・ユニットリーダー28〜34万円前後350〜430万円前後

処遇改善加算やベースアップ加算により、介護職全体の給与は年々改善傾向にあります。介護福祉士を保有していると加算の配分割合が高くなる仕組みがあるため、資格取得は収入面でも大きなメリットがあります。

介護福祉士取得後のキャリアパス

介護福祉士を取得した後のキャリアは複数の方向があります。現場のスペシャリストとして介護技術を磨き続ける道のほか、以下のようなステップアップが可能です。

介護福祉士からのキャリアパス
  • ユニットリーダー・フロアリーダーとして現場をまとめる役割
  • 実務者研修の講師・職業訓練の指導員
  • ケアマネージャー(介護支援専門員)へのキャリアアップ
  • サービス提供責任者(訪問介護)としての管理業務
  • 施設長・管理者としてのマネジメント職
  • 社会福祉士のダブルライセンス取得で相談援助の領域へ

介護福祉士に関するよくある質問

介護福祉士は独学で取得できますか?
実務経験ルートの場合、国家試験の勉強自体は独学でも可能です。ただし受験には実務者研修(450時間)の修了が必須なので、研修部分はスクールの通学・通信講座を利用する必要があります。テキスト+過去問を中心にした独学で合格する方も多くいます。
介護福祉士と初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の違いは?
介護職員初任者研修(130時間)は介護職の入門資格で、都道府県指定の研修を修了すれば取得できます。一方、介護福祉士は国家試験に合格する必要がある国家資格です。業務範囲に法的な差はありませんが、介護福祉士は資格手当・リーダー職登用・処遇改善加算の面で優遇されます。
介護福祉士の資格は更新が必要ですか?
介護福祉士は一度取得すれば更新の必要がない終身資格です。この点がケアマネージャー(5年ごとに更新研修が必要)との大きな違いです。取得後に就業しない期間があっても、資格が失効することはありません。